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(2)実車改造モデルによる検討
(1)の項目について評価を行うため、実車を改造した模型を製作し、それを用いて、実験的検討を行った。(なお、時間の関係からすべての項目には対応できていない)
?実験装置
a. モックアップ・モデルバス
被験者を用いた評価検討を行うため、1/1の大きさの装置を作成する必要がある。
ここでは、作成の容易さを狙い、廃車車両を用いて、車内レイアウト、ならびにステップ部の評価を実施することとした。車両は東京都交通局からご提供いただいたもので、昭和61年式いすず、前・中4枚折扉仕様である(図3.1−1参照)。車内のシートをすべて取り外し、タイヤハウスまわりの段上げ部、中扉ステップ部を各種形態を想定できるように木製の箱を用意した。シートは、東急バスからご提供いただいたものを自立できるように改造して用いた。改造を最小限にとどめるため、床に設置してあったヒータを残存させたため、可変としたシートレイアウトにやや制約を受けている。
図3.1.2に車内シート配置の1例を示す。
b. 仮想ステップ
モデルバスの中扉部において、地面のかさ上げ、ならびに車内ステップ部の改造により、ノンステップバス、ワンステップバスでの乗り降りを想定した実験をできるように設定した。歩道縁石の有無、バスとの水平距離、車体のニーリング等、様々な組み合わせでの実験を可能とするよう鉄製枠、木製台を用意した。組み合わせにより設定できるものは以下の通り。(数字は地面からの1段ごとの段差の大きさ)
・ツーステップ型:30−26−26(元の車両の仕様)
・ワンステップ型:
30−25(東京都型ワンステップを想定)
35−30(京急型ワンステップを想定)
・ノンステップ型:35
これらにそれぞれ「縁石(15cm)」「ニーリング(10cm)」の条件を加えられるようにしてある。図3.1.3にステップ設定の2例を示す。
c. 仮想タイヤハウス、通路幅
低床化にともなうタイヤハウスの突出を木製台によって模擬した。その上に設置した座席へのアクセス性を調べられるようにした。また、低床化によって狭められる後車軸上の通路幅について、広幅(700mm)と狭幅(500mm)を設定して調査するこ

 

 

 

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